スタッフブログ:記事詳細

喜入沖地震

2018.05.30 10:00

皆様の記憶から徐々に薄れてきているかもしれませんが、2017年3月11日、喜入沖を震源とするM3.6最大震度3、7月11日にはM5.3最大震度5強の地震が起こりました。当院では被害もなく通常通りの透析ができましたが、指宿市では一時的に透析困難な状態となった施設もあったようです。2018年喜入町にある震度観測点では、震度1以上の地震が3回観測されています。最近1年間の最大震度は、震度5強です。

 

鹿児島湾を中心とする過去の地震は、ここ100年ほどで大きな地震はなく、直近では1914年(大正3年)1月の「桜島地震」までさかのぼります。この地震は、桜島大正大噴火が始まった日(1月12日)の夕方に発生したため、火山性地震とも言われていますが、震源の位置から「鹿児島湾西縁断層」が動いた可能性もあるそうです。

 

[桜島地震]のデータ

発生日1914年1月12日  震央鹿児島湾   北緯 31.6度   東経 130.6

震源の深さ 6~10km   規模 M7.1   最大震度 6

 

図の赤いラインが「鹿児島湾西縁断層」です。

これは、国立研究開発法人産業技術総合研究所(産総研)の活断層データベースです。断層の赤いラインは、吉野の寺山公園真下の海岸から、小松原のラサール学園付近までほぼ一直線に全長16キロ伸びています。S地点が「桜島地震」の震央ですが、今回の「喜入沖地震」K地点は火山性地震ではないとも報じられています。そうなると、これまでの調査で喜入沖近くには活断層はないとされていましたが、実は活断層があるのではともいわれています。つまり、私たちは自分の住まいや職場付近に活断層がないと安心してはいけないということになります。

皆様の身にもある日突然危険が訪れるかもしれません。災害を身近なものだと捉えて、その時にどのような行動をとれば良いかなど常日頃から考えて準備しておくことが大切であると思われます。

 

                                      臨床工学科 科長 有馬